推し変には、ご注意を。
6.壊れた世界。
あのゲリラライブを境に、ねねさんは変わってしまった。
〝ねね〟のアカウントは動かなくなり、毎日のライブ配信にも来なくなった。
ゲリラライブ後にあった、握手会にも当然現れなかった。
どうして、どうして。
動かない、現れない、ねねさんに不安が募り、気が狂いそうになる。
ねねさんのことばかり頭に浮かんで、何も手につかなくなる。
眠れなくなった。
そのせいで、不調も続いた。
今が大事な時期だというのに。
それでも、ねねさんを見ることは辞められなかった。
〝ねね〟のアカウントを見て、今日も動きがない、と肩を落として、今度は〝天音〟のアカウントを見る。
〝天音〟では、ねねさんは普通の日常を送っていて、ますます何故、〝ねね〟を動かさないのかわからなくなった。
そんな日々が続いた、ある日のこと。
俺は今日も楽屋でスマホを触りながら、自分の出番を待っていた。
すると、スマホに嬉しい通知が来た。
〝ねね〟がコメントしました。と。
「…っ!」
ねねさんだ!
やっと来たねねさんの動きに、心臓が高鳴る。
一体、何を言っているのだろうか。
今まで〝ねね〟を動かさなかった理由でも並べられているのだろうか。
それとも案外いつも通りに、翡翠について楽しそうに言葉を並べているのか。
何であれ、ねねさんからの言葉ならなんでもいい。
なんでも嬉しい。
はやる気持ちを抑えて、通知をタップする。
…が、そこに現れた言葉に、俺は言葉を失った。