推し変には、ご注意を。
暗闇の中、俺はずっとずっと考えた。
もっと努力して、目を逸らせないほどの輝きを放つ。
…それでももし、ねねさんがこちらを見てくれなかったら?
ねねさんの目に留まるように、もっともっとメディア露出する。
…それでももし、ねねさんがこちらに関心を向けなかったら?
思いつく考えはどれも、最終的にはねねさんの判断に委ねられ、決定的でない。
ああ、どうすれば…。
悩みに悩み抜いて、俺はふと、あることを思いついた。
ねねさんに判断を委ねるからダメなのだ。
俺がその主導権を握ればいいのだ。
物理的に俺だけを見られるようにすればいい。
そう気づいた俺は、まぶたを開け、ベッドから降りた。
軽やかな足取りで、洗面台まで向かう。
先ほどまでの動けなかった俺が嘘かのように。
洗面台に辿り着き、鏡に微笑む男は、ねねさんが推していた翡翠とは違い、随分疲れた顔をしていた。
まずは顔を洗い、体力を取り戻そう。
そして、ねねさんを迎えに行くのだ。
あの日、ねねさんが忘れてしまった、ねねさんの輝く一番星として。