役目は終えましたので、好きにしてもいいですよね?〜地味才女の楽しい改革劇〜
領都を一通り回ったら、今度は外へ出て一週間じっくりと領地を視察していった。
見慣れた場所でも、新しい発見ばかりで心が踊る。メリッサが最後に訪れた次の年に鉱山が見つかったと聞いた時は、両親とともに大喜びし、祝いの品をオルディンに送りつけて困らせたものだ。
そうして一通り情報が集まったある日、隣国との国境近くにある村に向かう馬車の中で、メリッサは今までジェナに書かせてきたメモを広げていた。
「だいぶ情報が集まったわね。ジェナもクロードも付き合ってくれてありがとう。屋敷に戻ったらしっかり休んでね」
「それはお嬢様もですよ! 帰ったらお嬢様の素敵な御髪とお肌をしっかりケアさせていただきますからね!」
ぷん!とむくれた表情でジェナは言う。
なんせ公爵家から戻った翌日には視察を始めていたのだ、二人には充分な休暇を取ってもらうつもりでいた。
それはメリッサも同じで、半年の間使用人のように休みなく働いていた彼女にも同じことが言える。頭よりも先に体が動いてしまうため、失った髪艶も肌荒れも気にしていなかったのだが、二人をここまで付き合わせてしまった罪悪感はある。特に自分のことを考えてくれるジェナの心配性には頭が上がらない。
「わかっているわ。……ええっと。話を聞いた中で一番困っていることは、と……」
ジェナに地図に気になった話を書き込ませたものを手に取りながら、簡易テーブルの上に置かれた用紙の上をさらさらと走る万年筆に目を向ける。誰も触れていないのに、ひとりでに動いて詳細を書き出すそれを、ジェナはじいっと見つめた。
見慣れた場所でも、新しい発見ばかりで心が踊る。メリッサが最後に訪れた次の年に鉱山が見つかったと聞いた時は、両親とともに大喜びし、祝いの品をオルディンに送りつけて困らせたものだ。
そうして一通り情報が集まったある日、隣国との国境近くにある村に向かう馬車の中で、メリッサは今までジェナに書かせてきたメモを広げていた。
「だいぶ情報が集まったわね。ジェナもクロードも付き合ってくれてありがとう。屋敷に戻ったらしっかり休んでね」
「それはお嬢様もですよ! 帰ったらお嬢様の素敵な御髪とお肌をしっかりケアさせていただきますからね!」
ぷん!とむくれた表情でジェナは言う。
なんせ公爵家から戻った翌日には視察を始めていたのだ、二人には充分な休暇を取ってもらうつもりでいた。
それはメリッサも同じで、半年の間使用人のように休みなく働いていた彼女にも同じことが言える。頭よりも先に体が動いてしまうため、失った髪艶も肌荒れも気にしていなかったのだが、二人をここまで付き合わせてしまった罪悪感はある。特に自分のことを考えてくれるジェナの心配性には頭が上がらない。
「わかっているわ。……ええっと。話を聞いた中で一番困っていることは、と……」
ジェナに地図に気になった話を書き込ませたものを手に取りながら、簡易テーブルの上に置かれた用紙の上をさらさらと走る万年筆に目を向ける。誰も触れていないのに、ひとりでに動いて詳細を書き出すそれを、ジェナはじいっと見つめた。