役目は終えましたので、好きにしてもいいですよね?〜地味才女の楽しい改革劇〜
オルディンへの文句は帰ってから伝えるとして、ちらと顔を向けると、アルフォンスは一瞬目を見開いたが、すぐに真顔に戻った。
「アルフォンス・エルシャドールだ。君の噂は聞いている」
「噂、ですか?」
「『貴族潰しの出戻り令嬢』――と。コモンズ一家は悪徳貴族の中でも名高いものだったからな。次は自分ではないかと、怯える者もいるようだ」
「なっ……なんですかそれ! お嬢様に対して失礼すぎます!」
「ジェナ、殿下の前よ。口を慎みなさい。それに私は気にしてないわ。……クロードも、黙ったまま睨みつけない!」
憤慨するジェナの後ろで控えていたクロードの目は、平然を装いながらも殺気を帯びている。メリッサが制すると、二人は怪訝そうに目を逸らした。
「無礼をお許しください。その……まだ日が浅いもので」
「……いや、こちらこそすまない。そもそも、コモンズ家の悪行は我々で処理しなければならなかった案件だ。結果的にメリッサ嬢の手を煩わせてしまったことについては、詫びなければと思っていた。王家を代表して謝罪と、国のために尽くしてくれたことへ礼を言う」
国を背き、悪行を繰り返す貴族への粛清は、王弟であるアルフォンスの仕事である。
あとで聞いた話だが、メリッサが集めた証拠を精査し、コモンズ公爵家へ監査を入れるよう指示したのはアルフォンスだったという。
「国のために」などと大層な言葉を並べたてられたが、メリッサは「いいえ」と首を横に振った。
「国のためではありません。私はただ、クレイトン家にかけられた泥を払っただけですわ」
「その泥を払い切るのに時間がかかっただろう。コモンズが今まで王家の目が届かない場所で行っていた行為は、すべて明かされたうえで裁かれなければならない。必ず、公正な判断を下すと約束しよう」
淡々とした口調で表情を一切崩さない彼に、メリッサは少しばかり目を見開いた。いたって平穏な国だと思ってはいるが、王家の人間が贔屓せず平等に見てもらえるとは思ってもいなかったからだ。
「ところで、君はこの畑をどう思う?」
「アルフォンス・エルシャドールだ。君の噂は聞いている」
「噂、ですか?」
「『貴族潰しの出戻り令嬢』――と。コモンズ一家は悪徳貴族の中でも名高いものだったからな。次は自分ではないかと、怯える者もいるようだ」
「なっ……なんですかそれ! お嬢様に対して失礼すぎます!」
「ジェナ、殿下の前よ。口を慎みなさい。それに私は気にしてないわ。……クロードも、黙ったまま睨みつけない!」
憤慨するジェナの後ろで控えていたクロードの目は、平然を装いながらも殺気を帯びている。メリッサが制すると、二人は怪訝そうに目を逸らした。
「無礼をお許しください。その……まだ日が浅いもので」
「……いや、こちらこそすまない。そもそも、コモンズ家の悪行は我々で処理しなければならなかった案件だ。結果的にメリッサ嬢の手を煩わせてしまったことについては、詫びなければと思っていた。王家を代表して謝罪と、国のために尽くしてくれたことへ礼を言う」
国を背き、悪行を繰り返す貴族への粛清は、王弟であるアルフォンスの仕事である。
あとで聞いた話だが、メリッサが集めた証拠を精査し、コモンズ公爵家へ監査を入れるよう指示したのはアルフォンスだったという。
「国のために」などと大層な言葉を並べたてられたが、メリッサは「いいえ」と首を横に振った。
「国のためではありません。私はただ、クレイトン家にかけられた泥を払っただけですわ」
「その泥を払い切るのに時間がかかっただろう。コモンズが今まで王家の目が届かない場所で行っていた行為は、すべて明かされたうえで裁かれなければならない。必ず、公正な判断を下すと約束しよう」
淡々とした口調で表情を一切崩さない彼に、メリッサは少しばかり目を見開いた。いたって平穏な国だと思ってはいるが、王家の人間が贔屓せず平等に見てもらえるとは思ってもいなかったからだ。
「ところで、君はこの畑をどう思う?」