役目は終えましたので、好きにしてもいいですよね?〜地味才女の楽しい改革劇〜
 失敗と成功を繰り返しながら、誰でも使える魔道散水機を目指す一方で、カインはわずかでも魔力を持つ者たちに、魔力をコントロールする方法を教えていった。
 特に子どもの中には、未だ魔力に目覚めていない者もいる。魔力のコントロールを知らない者が突然、感情に任せた結果魔力が爆発し、大事件に発展した事例も少なくはない。
 今のうちに仕組みを理解しておくべきだと判断したメリッサは、事前にオルディンとアルフォンスに相談しておいたのだ。
 カインが根気強く教え込んでいくと、数日後には簡単な魔力付与であれば、魔道具作りや水魔法を使うことができるようになっていった。元々ポテンシャルの高い者が多かったのも功を奏したのだろう。
 子どもたちも嬉しそうに、水魔法で作ったシャボン玉を飛ばして見せる。

「メリッサ様、みてみて!」
「すごいわ! まだ一週間も経っていないのに、ここまでできるなんて!」
「君やアルフォンス殿下の読み通り、正しい使い方さえ理解できれば、ちゃんと魔法は使える子たちばかりだ」
「あなたもすごいわ、カイン。来てくれてありがとう」

 そう告げると、カインは小さく目を見開いて、すぐに照れくさそうに笑った。

「そういえば、新しい衛兵はいつくるの? 辺境騎士団もそこまで人を出せないだろう?」
「領都にいる叔父様が精査しているところよ。コモンズ家との関わりがない者を選んでいるから、今度は大丈夫だと思うけれど……」

 オルディンからの手紙には、ニルスは深く反省し、謹慎処分となったことが記されていた。しかしコモンズ家の被害者でもあるため、謹慎が明けたら、辺境騎士団の下働きとして迎えるそうだ。事情聴取にも真摯に応じており、コモンズ家の悪行を暴く重要な手がかりになっているという。


 ――それから数週間後、ついに。

「メリッサ様、ようやく試作第一号が完成しましたよ!」
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