役目は終えましたので、好きにしてもいいですよね?〜地味才女の楽しい改革劇〜
彼女の申し出に快く頷いた料理長は、一から丁寧に教えてくれた。
まず、コロンの実を流水で丁寧に洗う。虫が寄りにくいと言われてはいるものの、まったくいないわけではない。そして捨てがちな皮には豊富な栄養も含まれている。今回は丸ごと使うので、農薬が残らないようしっかり洗った。種は小さいため、四分の一にカットして、種を分けておくことを忘れない。
それと並行して、デーツを細かく刻んでおく。たった一粒で角砂糖の四個分相当の甘みを持つため、今回は二〇〇グラムのコロンに対し三、四粒程度に留めておくことにする。
大きな鍋にカットしたコロンの実、刻んだデーツ、そして水を加えて蓋をし、しばらく煮る。仕上げにレモン汁を加えると、皮の赤が優しい色味のピンクに仕上がるのだ。
冷たくしてコンポートとして食べるのも良し。温かい状態でホイップクリームや、少し豪勢にアイスクリームやホットケーキに添えて食べるのも良し。アップルパイのようにカスタードと一緒にパイ生地でくるんで焼いても、苦みや青臭さも抜けたことでさっぱりと食べられるようになる。これからデーツの栽培が可能になれば、コロンのコンポートは間違いなくヒット商品になり得るだろう。
メリッサが説明をしている間も試食品をすべて平らげた三人は、満足そうな表情を浮かべている。ホッと胸を撫で下ろしていると、すぐにオルディンが問う。
「大量生産はデーツの栽培次第、といったところだな。これを商品化するために、デーツを作る果樹園を手配しなければならないが……場所と人員に宛てはあるのか?」
「デーツは木の上で熟し、乾燥させてドライフルーツになった状態で収穫します。そのため、一日中日が当たる場所が適している――我が領には、最適な場所があるではありませんか」
「……ケケ村か」
「ええ、ケケ村は土地の魔力との相性が特に良い地域です。村長に確認したところ、栽培に適した場所が空いているようなので、そこへデーツを作ります。そしてクラム家の果樹園で育てられたコロンの実を、地図上で中間地点になるイレスト区内に集め、生産と販売、どちらも扱う工場を作ろうと考えていますわ」
イレスト区は辺境伯領内でも特に治安が良い区域ということもあって、家族で移り住む傾向がある。
しかし、仕事は領都や王都へ出たほうがあるため、農作物は自給自足として育て、長距離を行き来して仕事をする家庭も少なくはない。
そこで加工して製造、販売、配達まで行う工場を作り、職種の幅を広げて遠くまで働きに出ることなく区域内で完結できるようにしようというのが、メリッサの提案だ。
まず、コロンの実を流水で丁寧に洗う。虫が寄りにくいと言われてはいるものの、まったくいないわけではない。そして捨てがちな皮には豊富な栄養も含まれている。今回は丸ごと使うので、農薬が残らないようしっかり洗った。種は小さいため、四分の一にカットして、種を分けておくことを忘れない。
それと並行して、デーツを細かく刻んでおく。たった一粒で角砂糖の四個分相当の甘みを持つため、今回は二〇〇グラムのコロンに対し三、四粒程度に留めておくことにする。
大きな鍋にカットしたコロンの実、刻んだデーツ、そして水を加えて蓋をし、しばらく煮る。仕上げにレモン汁を加えると、皮の赤が優しい色味のピンクに仕上がるのだ。
冷たくしてコンポートとして食べるのも良し。温かい状態でホイップクリームや、少し豪勢にアイスクリームやホットケーキに添えて食べるのも良し。アップルパイのようにカスタードと一緒にパイ生地でくるんで焼いても、苦みや青臭さも抜けたことでさっぱりと食べられるようになる。これからデーツの栽培が可能になれば、コロンのコンポートは間違いなくヒット商品になり得るだろう。
メリッサが説明をしている間も試食品をすべて平らげた三人は、満足そうな表情を浮かべている。ホッと胸を撫で下ろしていると、すぐにオルディンが問う。
「大量生産はデーツの栽培次第、といったところだな。これを商品化するために、デーツを作る果樹園を手配しなければならないが……場所と人員に宛てはあるのか?」
「デーツは木の上で熟し、乾燥させてドライフルーツになった状態で収穫します。そのため、一日中日が当たる場所が適している――我が領には、最適な場所があるではありませんか」
「……ケケ村か」
「ええ、ケケ村は土地の魔力との相性が特に良い地域です。村長に確認したところ、栽培に適した場所が空いているようなので、そこへデーツを作ります。そしてクラム家の果樹園で育てられたコロンの実を、地図上で中間地点になるイレスト区内に集め、生産と販売、どちらも扱う工場を作ろうと考えていますわ」
イレスト区は辺境伯領内でも特に治安が良い区域ということもあって、家族で移り住む傾向がある。
しかし、仕事は領都や王都へ出たほうがあるため、農作物は自給自足として育て、長距離を行き来して仕事をする家庭も少なくはない。
そこで加工して製造、販売、配達まで行う工場を作り、職種の幅を広げて遠くまで働きに出ることなく区域内で完結できるようにしようというのが、メリッサの提案だ。