役目は終えましたので、好きにしてもいいですよね?〜地味才女の楽しい改革劇〜
応接の間を出て、廊下を進むメリッサは、アルフォンスに問う。
「アルフォンス殿下、まだお時間はありまして? ソフィアから試作品を少し分けてもらっていますので、お持ち帰りになるのであれば包ませますわ」
「……君は、茶に誘うということはしないのだな」
「お茶に? お互いにメリットがありませんでしょう。もしかして、誘ってほしかったのですか?」
メリッサはそう言ってにっこりと告げると、アルフォンスはムッと眉をひきつらせた。
ただでさえ辺境領への来訪が増えている王弟だ。社交界でよからぬ噂が流れてしまえば、今後動きにくくなってくるだろう。
それにメリッサの『住み心地改革』も始まったばかり。まだまだやりたいことだらけなのに、周囲の貴族から茶々入れをされては困る。
「もちろん、殿下には大変お世話になっておりますし、今回のデーツについても感謝しています。だからこそ、貴族潰しの令嬢などと噂になってはいけないのです」
「……では、王命で俺と出かけることになったらどうする?」
「はい?」
「王妃はオルディンに向けて試作品を持ってこいと言ったが、本命は君のようだぞ」
そう言ってアルフォンスは内ポケットから一通の手紙をメリッサに渡す。
差し出し人は――リコリス・エルシャドール。
この国の王妃陛下だ。
「メリッサ嬢宛に預かってきた。三ヶ月後の夜会にはぜひ参加して欲しいとのことだ。エスコートは、君さえよければ俺が引き受けよう。オルディンは王都にいる奥方と参加予定だからな」
出戻りの辺境伯令嬢のエスコート相手が王弟――目が眩むような提案に、メリッサは思わず頭を抱えたのだった。
「アルフォンス殿下、まだお時間はありまして? ソフィアから試作品を少し分けてもらっていますので、お持ち帰りになるのであれば包ませますわ」
「……君は、茶に誘うということはしないのだな」
「お茶に? お互いにメリットがありませんでしょう。もしかして、誘ってほしかったのですか?」
メリッサはそう言ってにっこりと告げると、アルフォンスはムッと眉をひきつらせた。
ただでさえ辺境領への来訪が増えている王弟だ。社交界でよからぬ噂が流れてしまえば、今後動きにくくなってくるだろう。
それにメリッサの『住み心地改革』も始まったばかり。まだまだやりたいことだらけなのに、周囲の貴族から茶々入れをされては困る。
「もちろん、殿下には大変お世話になっておりますし、今回のデーツについても感謝しています。だからこそ、貴族潰しの令嬢などと噂になってはいけないのです」
「……では、王命で俺と出かけることになったらどうする?」
「はい?」
「王妃はオルディンに向けて試作品を持ってこいと言ったが、本命は君のようだぞ」
そう言ってアルフォンスは内ポケットから一通の手紙をメリッサに渡す。
差し出し人は――リコリス・エルシャドール。
この国の王妃陛下だ。
「メリッサ嬢宛に預かってきた。三ヶ月後の夜会にはぜひ参加して欲しいとのことだ。エスコートは、君さえよければ俺が引き受けよう。オルディンは王都にいる奥方と参加予定だからな」
出戻りの辺境伯令嬢のエスコート相手が王弟――目が眩むような提案に、メリッサは思わず頭を抱えたのだった。