純情*ライアー

「やっぱ折り畳み傘使おーよ。
こんなとこで風邪引いてもいいことないって。」


「ダメ!これが…………」


「これが?」


駄々っ子みたいな顰めっ面が時間をかけて子犬になる。



「…………これ“も”練習の一貫だから!」



はぁ、なるほど。一理ある。


ならば傘を持っておいてもらうことにした。


「2回目もまだなのに課外授業しちゃったね。
これは別料金だなぁ。」


「えっお金かかってたの!?」



しとしとぴしゃんの帰り道。


雨水を踏む2つの足音が、ちょっとだけ軽やかになった。

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