純情*ライアー
「傘の傾け方、すっごい優里に寄せてたらしいじゃない?葛城くんは結構濡れてたって!」
懲りない莉央がまだ空いている前の席に座る。
そんな情報まで出回ってるの?
ホント、とんでもない有名人。
反応したら莉央がより盛り上がっちゃいそうだから、1時間目の支度をしながら聞き流す。
それでも莉央はずっと1人で喋っている。
「チャラいのにすごい優しいんだよねぇ。
そこが全校女子を沼らせてるのよ。」
ぴた、と教科書を捲る手が止まる。
(……へぇ、優しいのは知れ渡ってるんだ。)
ちょっと意外。
表面的な演技だけして、あんまり関わらないようにしてるんだと勝手なイメージで思ってたから。