身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
 この人、こんな笑みも出来るのか。佑太さんの顔を見ているだけでどんどん彼の事を知りたいと考えてしまう。

「あ、すみません、なんか……」

 自分が笑みを浮かべている事に気がついたのか、口元を右手で軽く押さえ、恥ずかしそうにしている佑太さん。私がそんな隠さなくても大丈夫ですよ。と自然と出た微笑みを添えながら答えると、彼はははは……。と頬を緩ませつつ初々しさと硬さのこもった表情へと変化した。
 それもつかの間、すぐに緩んでいた口角は引き締まり、真剣そのものな顔へと切り替わる。

「本題に入りますけど。詩織さんはなぜこちらへいらしたんですか? 今回の見合い話は……」

 そうだ。私は姉さんの身代わりで訪れた身だ。本来ここにいるべき存在ではない。
 これについては誠心誠意謝罪しなければならない。

「大変申し訳ございません。私は姉の代わりとしてこちらへ参りました」
「代わり?」

 どこまで打ち明けて良いのか、姉さんの事を考えるとためらってしまうが、佑太さんの事を考えると正直に事情を告白した方が良いだろう。

「姉さんは闘病中です。それに膠原病ですから、必ず完治すると言うものでもないです。出産には耐えられないと判断したのと……姉さんは、好きな人がいるからって」
「なるほど……」
「ごめんなさい。本来お呼びで無い妹の私は場違いだってわかっています。けど、姉さんの為を思うと……」
「いや、俺としてはむしろ詩織さんでよかったと思ってて」

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