身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
 ほんわかとした空気の中、私は何度もパンケーキを焼いては食べるのを繰り返した。佑太さんはスイーツは別腹とでも言わんばかりの爆食っぷりで、作る身としては嬉しさであふれかえっている。
 食事が終わった後、京子さんはそろそろ用事があるので本家へ帰らなければならない。見送る前に私達を引き留めるように話があると切り出してきた。

「2人とも、子供が出来たらどうするつもりなの?」

 彼女の言葉が雷になって私の脳天を貫いた。
 そうだ。これは子供を作る前提の結婚。それに私は元をたどれば結婚生活に前向きになれなかった身だ。今もずっと佑太さんを支えていけれるか自信が無くて怖い部分はある。
 どうして私の事をわかってくれないの! もっとスイーツよりも私を見てよ! と叫ぶ母親を何度も見てきている。スイーツと母さんと言う天秤のうち、どちらを選ぶかはとっても難しかったと思うけど、どうして2人はすれ違ってしまったのだろうか……。

 ああはなりたくない。

「……」

 返す言葉が見つからないでいると、佑太さんが私の右肩にそっと触れた。

「大丈夫。何があっても俺は側にいるから」
「佑太。口で言うのは簡単よ。……ちょっと話をしましょうか」

 京子さんの目が途端に険しくなった。瞳の奥にはどこか悲しさを漂わせているようにも見える。

「私は詩織ちゃんのお父さん……遼太郎さんとは結構長い付き合いだったから、詩織ちゃんと美咲ちゃんのお母さんについてもよく知ってるわ」
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