身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
 メニューが決まれば後は早い。ざくざくと野菜を切り、冷凍された鶏肉と鮭の切り身を取り出した。鍋の中に全て食材を入れて白出汁を大匙1杯分注いだら火にかけて、沸騰するのを待つ。
 お米も炊いておこう。副菜も用意しておこうかな。余ったら明日の分に回せば良い。お米を研いで炊飯器のスイッチを押した後は、冷蔵庫から下処理済みのレンコンを取り出して水気を取ったらグリルパンにアルミホイルを並べてから、レンコンを並べる。

「蒸し焼きレンコン、よく父さんが作ってるから食べたくなっちゃった」

 そんなこんなで夕食の準備を進めていく。窓から見える夜の景色は星空を天から見下ろしているようで、とにかく綺麗。

「まだ、帰ってこないか」

 手術となれば3時間から5時間、それ以上かかってもおかしくないかもしれない。

「まあ、ご飯が炊き終わった後の方がすぐに食べられると思えば」

 煮立ってお汁のアクを取り、お肉に火が通ったのを確認してから味噌を溶いて火を止めた。レンコンもいい感じに焼けている。

「せっかくだし後でココアパウダー使ってガトーショコラ、作ろうかな」

 その時、ピンポーンと玄関の方からインターホンが鳴った。このマンションは来客が訪れた場合コンシェルジュの人が間に入ってやり取りを交わす仕組みになっている。なのでインターホンの左側には受話器がある。

「はい、もしもし」
「こんばんは。翠様でいらっしゃいますでしょうか? 伊豆口美咲様がお渡ししたいものがあるとの事でお越しでございます」

 姉さんだ。そうだ。なんやかんやあって今日が退院日だったのを思い出す。

  
 
 
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