身代わり花嫁は無愛想なエリート外科医(超甘党)からの極甘溺愛を刻まれる
「もう目を開けていいんじゃないか? 顔面の粉はもう取れた」
「じゃ、じゃあ開けるよ……」

 視界に映りこんだのは腕まくりと裾上げをして、かがんだ状態でこちらを見ている佑太さんだった。シャワーから沸き起こる蒸気に当てられた皮膚はほんのりと赤く染まっていて、なまめかしさを漂わせているようにも見える。

「佑太さん。どうしたの?」
「あっいや……ごめん。俺はここで一旦出る」
「あ、ちょ!」

 ばたんと音を立てて扉が閉まる。のと同時に私の視界の下の方に黒いブラジャーが映り込んできた。

「ん、大分粉は取れてる」

 外から着替えおいておくぞ! と佑太さんの声がしたのでは――い! と聞こえるように返事をしてから、ブラジャーとショーツを脱いで全身くまなくシャワーを浴びた。

「ふう……」

 それにしてもお菓子作りの時間が大幅に削られてしまった。お昼ご飯も作らないといけないのに。脱衣所に戻ると佑太さんが用意してくれた着替えが、白いバスタオルと共に水色のプラスチック籠に入っていた。

「あ、下着もちゃんとある。用意してくれたんだ」
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