ながされて、絆されて、ふりむいて


「次のコマって株式会社classだっけ。こっちもイケメンと美女が来るのかな〜」


「絶対来るよ。大手の人事と登壇社員なんて顔選抜に決まってる」



言い切ったひとりの言葉に心のなかで同意を落とす。classといえばクレジットカード会社最大手、凪の第一志望群に入っていたからこちらも対策を重ねた。


インターンや選考でお話した社員は皆きれいな顔をしていた。


そんな会話を続けながら、かわいらしい二人の声は遠のいていった。彼女たちがお手洗いから出ていったことを確認して、個室のドアを開けた。



「(モテるよね、凪……)」



再認識が強まってゆく。会社という鳥籠を抜け出すと、解き放たれた実感に襲われる。


涼名ちゃんが凪推しなのはもう日常だし、社内なら名波さんも女性社員の視線を奪い続けているからなんとなく薄まっていた、けれど。




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