野いちご源氏物語 四八 早蕨(さわらび)
中君(なかのきみ)女房(にょうぼう)たちはうれしそうに都へ移る準備をしている。
若い女房や女童(めのわらわ)がもっと必要だろうと、よさそうな人たちも(やと)われた。
でも中君ご自身は、長年お暮らしになった宇治(うじ)を離れることがお心細い。
かといって意地(いじ)を張って宇治に(とど)まっていらっしゃっても、この先よいことなどないわ。

「どれほど愛しあうふたりでも、片方がそんな山里(やまざと)(こも)っていたら続きませんよ」
匂宮(におうのみや)様はお責めになる。
それもごもっともではあるので、どうしたらよいだろうかと思い乱れていらっしゃる。
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