総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「今日の分、いい?」
耳元でそう囁かれて、びくっと肩が跳ねた。
血の話を、してるんだろうけど、
——卒業したら、待たないからね?
あの言葉を思い出してしまってから、
勝手に意識して、勝手にドキドキしている自分が恥ずかしい。
「……うん」
小さく頷くと、叶兎くんはゆっくりと私の髪を指で掬い、耳にかけた。
露わになった首筋に、吐息がかかる。
吸われる、と分かっているのに。
それなのに体が勝手に緊張してしまう。
唇が触れたのは首筋の少し下。
一瞬、口づけみたいで、心臓が跳ねた。
次の瞬間、牙が軽く食い込む。
——じわり、と。
血を吸われる感覚は、やっぱり不思議だった。
少しの痛みと、それ以上の甘さ。
体の奥が、じんと痺れるみたいに熱くなって、
思わず、叶兎くんの服を掴んでしまう。
「……ん……」
自分でも驚くくらい、甘えた声が漏れて。
叶兎くんの動きが、ほんの一瞬止まるのが分かる。