総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
私の言葉を聞いた瞬間、叶兎くんの動きがぴたりと止まる。
しばらく何も言わずに、私を見つめて。
それから──
ふっと、力が抜けたみたいに笑った。
「……無理、ほんと可愛い」
呆れたみたいなのに、声はすごく甘くて。
「そんな顔されたら……無理させるわけないでしょ」
そう言って、私の額に軽くキスを落とした。
さっきまでの余裕のなさが嘘みたいに、柔らかい。
「正直俺も余裕はないんだけど」
正直すぎる言葉に、胸がきゅっとなる。
「初めては大事にしたいから」
そのまま、強く抱きしめられた。
さっきまで触れていた手は、代わりに背中を撫でるだけ。
「今日は、ここまでね」
頭に、ぽん、と手が置かれた。