総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
叶兎くんは強引そうに見えるのに、
いつもちゃんと、私のペースを最優先にしてくれる。
…でも、その優しさに甘えてずっと我慢させてしまっていたのに。
「……叶兎くん」
小さく呼ぶと、私の髪に顔を埋めたまま返事をする。
「ん?」
落ち着いた声。
それだけで、胸がじんわりあたたかくなる。
「……ごめんね。…わたし、ほんとに慣れてなくて…いつもいっぱいいっぱいで…」
ぎゅっと、腕に力が入る。
「謝らないで。俺は、そんな胡桃も可愛くて仕方ないの。…それに今日は急だったし」
顔を上げて、私の目を見る。
真剣で、でも優しい目。
「でも──」
言いかけた私の唇に、そっと人差し指が触れた。
「………二週間後。」
叶兎くんは一瞬目を逸らしてぽつりと言うと、またこちらを見る。
「何の日か覚えてる?」
……二週間後…。