総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
目を開けると、まだ視界がぼんやりしていた。
あたたかさに包まれていて…ぎゅ、と正面から抱き込まれている。
頬のすぐ近くにある胸元からは、微かに伝わってくる体温と鼓動。
すごく安心する、大好きな人の──叶兎くんの匂いだ。
そう気づいた途端、意識がまた眠りの底に引き戻されそうになる。
このまま溶けてしまってもいいかも…
なんて思いながら小さく身じろぎをすると、抱きしめる腕がわずかに動いて、より深く包み込むように力が増した。
私はそのままもう一度目を閉じた。
叶兎くんの胸に顔をうずめて、ぎゅっと抱きつく。
腕に力を込めて、離れないって主張するみたいに。
「……かなとくん…すき……」
頭がぼんやりしていて、自分でもほとんど無意識に言葉が出た。
すると、頭の上からくすっと笑う声が落ちてくる。
「なぁに。俺のこと、そんなに好きなの?」
からかうみたいなのに、声がやけに優しい。
寝起き特有の柔らかい声で、それも心地よくて。
私はその問いに、間髪入れず答えていた。
「……へへ……だいすき……」
自分で言って、少し嬉しくなって、また抱きつく。
胸に頬をすりっと擦り寄せると、叶兎くんの腕がさらにきゅっと締まった。