総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「……やばいな、これ」
困ったみたいに言いながら、でも叶兎くんも全然離してくれない。
髪に顔を埋められて、深く息を吸われた。
その呼吸がくすぐったくて、でも嫌じゃなくて。
そのまま頭を撫でる手つきは、信じられないくらい優しくて。
……その瞬間だった。
ふっと、頭の中の霧が晴れたのは。
——あれ?
いま、私。
何、してた?
状況を理解した途端、視界が一気に鮮明になる。
「……っ!!」
勢いよく顔を上げて、叶兎くんを見る。
目が合った瞬間、叶兎くんは完全に楽しんでいる表情で、にやっと笑った。
「おはよ、胡桃」
もう、眠気が一気に吹き飛んだ。
「あ、…お、おはよう………っ」
顔が、熱い。
というか、爆発しそう。
「俺も、胡桃のことだいすきだよ?」
追い打ちみたいに言われて、私は思わず布団を掴んだ。
耳まで真っ赤なのが、自分でもわかる。
叶兎くんはそんな私を見下ろしながら、もう一度、優しく抱き寄せた。