総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
——ちゃんと、できた。
守られるだけじゃなくて、隣に立って。
そのとき。
遠くから、サイレンの音が聞こえてきた。
「特殊警備隊だ」
装甲車が通りに止まり、武装した隊員たちが周囲を確認しながら駆け寄ってくる。
でも、現場を見て、足を止めた。
「……あれ?」
「もう、鎮圧されている……?」
隊員の一人が、少し驚いた声で言う。
「この男が能力暴走を起こしてた。拘束は済んでるよ」
叶兎くんがそう答えると、相手は一瞬目を見開いてから、深く頭を下げた。
「叶兎さん…!?…ありがとうございます。さすがです……!」
その言葉に、周囲の隊員たちも小さくどよめいた。
私は、叶兎くんの隣に立ちながら静かに息を吐く。
「胡桃さんも、ありがとうございます。お2人とも本当に頼もしいですね」
そう言われて、叶兎くんがちらっと私を見る。
嬉しそうに、誇らしそうに。
「じゃあ、今デート中なので俺たちはこれで」
そして、何でもないみたいに私の手を取る。
「はい!ここの処理はお任せください。」
警備隊の人たちに、にこにこした温かい目で見送られて。
私は握られた手をぎゅっと握り返しながら、顔が熱くなるのを自覚した。
……なんか。
すごく、恥ずかしいんですけど…!