総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ
「胡桃ちゃん。改めて言うけどね…」
華恋さんは一瞬、間を置いてから、優しく微笑んだ。
「うちに来てくれてありがとう」
「……こちらこそ、ありがとうございます!」
胸の奥が、あったかくなる。
叶兎くんの家、叶兎くんの家族。
そこに“当たり前みたいに”迎え入れられていることが、想像以上に嬉しい。
叶兎くんの妹の凛ちゃんは今日は夜まで友だちと遊びに行っているらしく。
お父さんの湊さんも、まだ仕事中で帰りは遅くなるとのことだった。
つまり──今この家にいるのは、私と叶兎くんと、華恋さんだけ。
「っていうか、来るなら先に言ってくれれば良いのに〜!あ、夕飯食べてく?」
軽いノリでそう言われて断る隙もなく。
気づけば私は、叶兎くんと並んで食卓を囲んでいた。
食べ終わった後、食器洗いを手伝わせてもらって。
食後、さすがに座っているだけなのは申し訳なくて。
「お手伝いします」と申し出ると、華恋さんは「助かる〜!」と快くキッチンに迎え入れてくれた。
しばらくして、叶兎くんがお手洗いに立ったその直後のこと。
「ねえ胡桃ちゃん。ウチの息子とは順調?」
食器を洗いながら、華恋さんが何でもないことみたいに声をかけてきた。
キラキラした眼差しで。
華恋さんは、なぜかすごく恋バナが好き。