35歳独身、年下後輩に溺愛されています
翌日も仕事は、昨日と同じようにルーティーンで進んでいく。

パソコンに向かい、メールを処理し、資料を整える。考えなくても体が勝手に動く感覚。

「ねえ、聞いた?」

隣の席の絵美が、にこやかに声をかけてきた。

「田中さん、今度昇進試験受けるんだって。」

「昇進試験か……」

思わず呟く。

実は私も、これまで何度か受けている。でも一度も結果を出せなかった。

もしかしたら、このまま平社員のまま人生を終えるのかもしれない。

そんな考えが、胸の奥に重く沈む。

「美希、また暗い顔してる。何も昇進だけが人生じゃないでしょ。」

絵美は軽やかに笑う。

「でもね、私、もう三十五歳よ。仕事か結婚か、そろそろ決めたいの。」

そう口にして、改めて自分の年齢を噛みしめる。

「欲張ればいいじゃん。仕事も、恋も。」

簡単そうに言うその言葉が、なぜか少しだけ眩しかった。
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