Bella Notte
 いつもはかなりの塩対応なのに。

「……失礼いたしました。井川の職場の上司で、秋口と申します」

 そういってきちんとお辞儀してくれる。

「そうなんですね、ごめんなさい、私仕事で2次会から参加で、ご職業って?」

 当たり障りない会話を展開する文乃。
 ……本当は、会話できる子なんだ。
 親友の社会人としての一面を見て、感心しながら。

「楓、秋口さんが、ヤバいかも」

 秋口さんが話している途中に、文乃が囁いてきた。
 その文乃の目線の先を見遣れば。

 相変わらず人垣に埋もれて、頭2つ分くらいてでいるその顔が。

 ……般若の面の様な桜井が……秋口さんだけを見つめている。

「とりあえず、話して来たら?」

 何をどう話せばいいのか、まだ心の整理はついていないのに。
 あの視線は、本当に何かやらかしそうな悪い予感しかなくて。

「分かった、秋口さんすみません、知り合いと話してきます」

 そう言って返事も聞かずに会話を切り上げて、桜井の元へ向かう事にする。

 
 

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