傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
事情が事情で、わたしは“居候の姪”として連れてこられたけど、本当のところは家族というよりは家政婦として扱われていること。
愛理さんと由美さんからは、嫌がらせを受けていること。
お父さんはそれを知っていて、見て見ぬふりをしていること。
そんなことまで包み隠さず話してしまったら、きっとやさしい名取くんなら心配するだろうから…。
――だから、話さない。
今はそれなりに幸せに暮らしていると思ってもらわないと、わたし自身が惨めに思えてくるから。
「…あっ。もうこんな時間」
ふと時計に目を移すと、日付をまたごうとしていた。
「名取くん。わたし、そろそろ帰るね」
久々に会ったら、時間も忘れて話してしまっていた。
わたしには休みはなく明日も仕事だし、名取くんのほうがわたしなんかよりも忙しいだろうし。
そう思いながら、ソファから立ったとき――。
「澪っ…」
名取くんがわたしの腕をつかんだ。
「どうかした?」
「さっき、帰りはうちの運転手に送らせるって言ったんだけど…」
「それなら大丈夫だよ。タクシー拾って帰るから――」
「いや、そうじゃなくて」
名取くんは、目を伏せて唇を噛む。
愛理さんと由美さんからは、嫌がらせを受けていること。
お父さんはそれを知っていて、見て見ぬふりをしていること。
そんなことまで包み隠さず話してしまったら、きっとやさしい名取くんなら心配するだろうから…。
――だから、話さない。
今はそれなりに幸せに暮らしていると思ってもらわないと、わたし自身が惨めに思えてくるから。
「…あっ。もうこんな時間」
ふと時計に目を移すと、日付をまたごうとしていた。
「名取くん。わたし、そろそろ帰るね」
久々に会ったら、時間も忘れて話してしまっていた。
わたしには休みはなく明日も仕事だし、名取くんのほうがわたしなんかよりも忙しいだろうし。
そう思いながら、ソファから立ったとき――。
「澪っ…」
名取くんがわたしの腕をつかんだ。
「どうかした?」
「さっき、帰りはうちの運転手に送らせるって言ったんだけど…」
「それなら大丈夫だよ。タクシー拾って帰るから――」
「いや、そうじゃなくて」
名取くんは、目を伏せて唇を噛む。