傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
そうして、将来ふたりが結婚するようなことにでもなれば、取引先としてだけでなく、富士川電機とナトリホールディングスの繋がりはさらに強いものとなる。

だから、そこにわたしという存在は不要なのだ。


「…澪。俺が愛理さんと…なんて、それ、本気で言ってるのか?」


名取くんの問いに、わたしは顔をそらす。


本当は、…そんなのはいやだ。

だけど、わたしといたって絶対に名取くんは幸せにはなれないから。


「澪、聞いてっ。俺の気持ちは、8年前のあの日からなにひとつ変わってない。むしろ、再会してからさらに気持ちが高まってる。この想いは絶対に変わらない」


顔を背けていても、名取くんからの熱いまなざしが伝わってくる。


「あの夜、澪も同じ気持ちだったと思ってる。その証拠が、今もつけてくれているネックレスだろ?」


わたしは首元のネックレスに目を向け、そのままうつむいた。


「だから、澪。俺たち、もう一度――」

「結弦さ〜ん?」


そのとき、名取くんを呼ぶ愛理さんの声が響いた。

芝生を踏む足音も聞こえ、名取くんを探しに庭に出てきたようだ。


「あっ、結弦さんこんなところにいた〜♪」
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