傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
愛理さんを喜ばせようと、お父さんが発した何気ない言葉。

しかしそれを聞いて、由美さんはお父さんを軽く睨みつけながら首を横に振る。


まるで、『余計なことは聞かなくていい』と言っているかのような。

それを悟ったお父さんも、慌てて話題を変える。


「…そうだ、愛理!パパからもプレゼントがあるんだ。夕食が終わったら――」

「好きな人がいるんですって」


お父さんの話を遮る愛理さんの言葉に、リビング内がしんと静まり返る。


「あたし、結弦さんにそれとなく伝えたの。そしたら、『好きな人がいるから、その気持ちには応えられない』って」


愛理さんは、目を潤ませながら歯を食いしばる。


これまでの人生、ほしいものはなんでも手に入れてきた愛理さん。

だから、自分の思いどおりにならなかったのは今回が初めてなのだろう。


「あ…愛理、なにも落ち込むことはない。きっと、結弦くんも照れ隠しで思わず口から出てしまっただけで――」

「高校生のときから好きな人らしいわよ。それで、結婚したいとも思ってるって」


その話を聞いて、わたしの胸がドキッと跳ねる。


――“高校生のときから好きな人”。
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