傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
赤信号の横断歩道の前で止まっているとき、ふと辺りを見回したら、仲よさそうにひとつの傘に入る若いカップルや手を繋ぎ合う親子の姿がやたらと目に入った。
みんなとても幸せそうで、絶望という言葉なんて知らない顔をしている。
どうして、わたしだけ…。
そう思ったら涙が溢れた。
信号が青に変わる。
一向に動こうとしないわたしに後ろの人は舌打ちをし、背中から押された拍子にわたしはその場に崩れ落ちてしまった。
この横断歩道を渡ったとしてもわたしには行く場所などないし、結局わたしはあの家に帰るしかない。
一瞬、名取くんの顔が頭に浮かんだ。
こんなときに、わたしはなにを期待しているのだろう…。
助けてほしいと思ってはいけないのに、そんなことを考えてしまった。
唇を噛み締め、うつむいて声を殺して泣いていた。
――そのとき。
「澪…!」
そんな声がしたかと思ったら、突然雨が止んだ。
見上げると、開けられた黒い傘がわたしの頭上にあった。
「…こんなところでなにしてるんだ!」
肩をつかまれ振り向かされたわたしは、そこでようやく我に返った。
スラックスが濡れることなど厭わずに水たまりに跪き、心配そうにわたしの顔を覗き込む名取くんがいた。
みんなとても幸せそうで、絶望という言葉なんて知らない顔をしている。
どうして、わたしだけ…。
そう思ったら涙が溢れた。
信号が青に変わる。
一向に動こうとしないわたしに後ろの人は舌打ちをし、背中から押された拍子にわたしはその場に崩れ落ちてしまった。
この横断歩道を渡ったとしてもわたしには行く場所などないし、結局わたしはあの家に帰るしかない。
一瞬、名取くんの顔が頭に浮かんだ。
こんなときに、わたしはなにを期待しているのだろう…。
助けてほしいと思ってはいけないのに、そんなことを考えてしまった。
唇を噛み締め、うつむいて声を殺して泣いていた。
――そのとき。
「澪…!」
そんな声がしたかと思ったら、突然雨が止んだ。
見上げると、開けられた黒い傘がわたしの頭上にあった。
「…こんなところでなにしてるんだ!」
肩をつかまれ振り向かされたわたしは、そこでようやく我に返った。
スラックスが濡れることなど厭わずに水たまりに跪き、心配そうにわたしの顔を覗き込む名取くんがいた。