傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
わたしの頬をぽろぽろと涙が伝う。

これまでに感じたことのない最高のうれし涙だ。


わたしは指で涙を払いながら、そっと名取くんの手を取った。


「はい。よろしくお願いします」


返事を聞くと、緊張で少し強張っていた名取くんの表情が一瞬にして緩んだ。


「澪、ありがとう。絶対幸せにする」


わたしたちはお互いの背中に腕を回し抱きしめ合うと、引き寄せられるようにキスをした。

それはとろけそうなほどに甘い、誓いのキスだった。



次の日。

いつも通りに朝の5時半にスマホのアラームが鳴って目が覚めた。


…眠い。

だけど、お父さんたちが起きてくるまでに朝食の準備をしないと――。


と思って、眠い目を擦りながら起き上がると、見慣れない部屋にいてはっとした。

そして、ブカブカの部屋着姿にようやく昨日の記憶が蘇る。


そうだ…わたし、雨の中名取くんに助けられて、名取くんの家にきたんだった。

それで――。


『澪、結婚しよう』

『小坂澪さん、僕の妻になってください』


思い出した瞬間、顔がカッと熱くなるのがわかった。


名取くんにプロポーズされたのって、夢じゃないよね…?
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