傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
ここにいても落ち着かなくて、わたしはそっと部屋を出た。


わたしが今いた部屋は、ゲストルーム。

名取くんの家は3LDKで、この部屋の他に2階部分には名取くんの寝室と書斎があると聞いている。


名取くんを探しに勝手に寝室に入るわけにもいかないし、ひとまずお水でも飲もうかな。

リビングへ下りるも、明かりはついていなかった。


こんな時間だし、まだ寝てるよね。

と思った、そのとき。


玄関からドアが開く音がして、思わず体がビクッと反応した。

そうして中へと入ってきたのは、カジュアルな私服姿の名取くんだった。


「お、おはよう」

「おはよう、澪。もう起きてたんだな」

「…うん。名取くんはどこかに行ってたの?もしかして、わたしがいたから寝付けなかった…?」


わたしが恐る恐る顔を覗き込むと、名取くんは爽やかに微笑んだ。


「違うよ。澪がいると思ったら、ぐっすり眠ってなんていられなかっただけ。早くこれを取りに行きたかったから」


そう言って、名取くんはバッグの中からクリアファイルを取り出し、そこに挟んでいた書類をテーブルの上に広げた。

なんとそれは、婚姻届だった。


「名取くん、…本気だったんだ」
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