傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
当時名取くんと過ごしていた時間は本当に幸せで、いくらでも思い出話が出てくる。


「澪がこんなに楽しそうに話してくれるとは思わなかった。てっきり、俺は嫌われてると思ってたから」


そう言って、名取くんは切なげに微笑む。

その表情を見て、胸がぎゅっと締めつけられた。


「…ごめん。急に別れようなんて言って、傷つけたよね」

「なにか理由があったんだよな…?でもあのときの俺は、冷静に考えられるほど大人じゃなかった。俺のほうこそ、ちゃんと聞いてあげられなくてごめん」

「どうして、名取くんが謝るの…」


そんなの、一方的に別れを告げたわたしが悪いというのに。


「澪、聞かせてくれる?もう過去のことだけど、あのとき澪になにがあったのか知りたい」


そう言ってくれるものだから、わたしは恥を忍んで、名取くんを利用しようとしたお母さんの当時の様子を語った。

引かれてもおかしくはなかったけれど、名取くんは腕を伸ばすとわたしを抱き寄せた。


「…なんだよ、それ。澪、そんなつらいことをずっとひとりで抱えていたのか」


そうして、わたしを強く抱きしめた。


「今度は、なにがあっても絶対に守ってみせるから。だから、俺の前からいなくならないで」
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