傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
「…澪!」


突然、後ろから呼ばれて肩がビクッと跳ねた。

驚いたのは、なにも自分の名前が呼ばれたからではない。


その声の主が、わたしが愛して止まない人――。

名取くんだったからだ。


「やっぱりここにいた…!」

「名取くん…、どうして」


名取くんは前を歩いていたお父さんと愛理さんを押しのけて、すぐさまわたしのもとへと駆けつける。


その瞬間、わたしの目の奥が熱くなった。

きてはだめだと自分に言い聞かせ続けていたのに、自分の立場を顧みず探しにきてくれたことがうれしくて、うれしくて。


「どうして結弦さんが、いきなり澪さんのところへ…!?」


愛理さんの悲鳴に近い声が廊下に響く。

それを聞きつけた由美さんが慌ててリビングから顔を出し、お父さんはぽかんとしていた。


そんな3人のほうへ、名取くんがゆっくりと振り返る。


「お話があると言って本日お伺いしましたが、実は澪さんを探しにきました」

「…澪を?探すもなにも澪はこの家の人間なのだから、いて当たり前だろう」


お父さんは薄ら笑いを浮かべる。

そんなお父さんに対して、名取くんは表情を険しくした。


「そんなことはありません。なぜなら澪さんは、僕といっしょに――」
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