傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
そして、同席するように言われ嫌嫌やってきた愛理さんが座る。


名取くんは、この前の病室で語ったことをもう一度丁寧に説明をしてくれた。


お父さんたちは静かに聞いている。

いや、むしろ少し頬がゆるんでいる。


「――ですので、お腹の子も含めて、必ず澪さんを幸せにします。どうか温かく見守ってください」


名取グループの御曹司からの結婚の挨拶。

しかもすでに、新たな名取の血を引く子どもまでお腹にいる。


そんなの、だれが断るだろうか。


「結弦くんが相手というのなら、こちらとしてはそれはもう…!なっ、由美」

「ええ、もちろん!」


頬がゆるみっぱなしのお父さんと由美さんの隣で、不服そうな態度の愛理さん。


今のお父さんと由美さんにとっては、愛理さんよりもわたしが名取くんと結婚することのほうが大事。

きっとふたりの頭の中には、名取グループとの繋がりを手にすることしか考えていないのだろう。


わたしはこの家を出て、名取くんと夫婦として暮らせるのなら…うれしい。

でも同時に、それはこのふたりも喜ばせることとなる。


「結弦くん。澪と子ども、それと富士川電機を末永く頼むよ」
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