傷だらけのシンデレラ 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」


お父さんと名取くんはガッチリと握手を交わす。

これで、内側から名取グループと繋がりを築くことができた。


お父さんは、万が一富士川電機になにかあったとしても、ナトリホールディングスがどうにかしてくれると思っているのだろう。


「つきましては、こちらをどうぞお納めください」


そう言って名取くんが取り出したのは、漆塗りされた艶のある黒色の箱。

その箱を開けて中身を見たお父さんと由美さんは目を丸くした。


そこには、帯封がついた札束がいくつも重ねられていた。


「結弦くん…、これは?」

「もしかしてっ、結納金…!?」


由美さんの言葉にうなずく名取くん。


「このような場でお渡しするのは大変不躾なこととは承知で、どうしても本日受け取っていただきたくお持ちいたしました」


なにかの手違いではなく、名取くん自ら用意した額であると知って、大興奮の由美さん。


「あなた…!結弦さんもこう言ってくださってることだし、ここはありがたく…」

「そ…そうだな。返すというほうが失礼か」


お父さんは由美さんにこくんとうなずくと、結納箱を自分のほうへと引き寄せた。
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