完璧美人の私が恋したのは、眼鏡オタクのSEでした
食事を終えて、外に出ると、
夜風が心地よかった。
「……このまま」
私は、思い切って言った。
「神宮外苑、少し歩きません?」
優希は、少し驚いたあと、頷いた。
並んで歩く道。
周りは、手を繋いだカップルばかり。
(……みんな、繋いでる)
私は、自分の手を見て、
それから、優希の手を見た。
少しだけ、ためらって。
でも。
(……いいよね)
そっと、指先を伸ばす。
優希の手に、触れる。
一瞬、ぴくっと動いたけど、
逃げなかった。
そのまま、ゆっくり握り返される。
(……あ)
胸の奥が、じんわり熱くなった。
夜の並木道。
静かな足音。
(……今日、誘ってよかった)
そう思いながら、私は、繋いだ手を、
少しだけ強く握った。
手を握られた、その瞬間から。
正直、
里桜はもう、まともじゃなかった。
(……なに、これ)
心臓が、どくん、どくん、
うるさいくらいに鳴っている。
ただ手を繋いでいるだけなのに、
指先から、
じわじわ熱が伝わってきて。
頬が、自分でも分かるくらい熱い。
(……顔、赤いよね)
(絶対)
歩いているはずなのに、
足元の感覚が、
少しふわふわしていた。
優希が、何か話していた。
仕事のことだったか、
この辺りの話だったか。
でも。
(……何言ってたっけ)
情けないけど、
ほとんど覚えていない。
それくらい、頭の中が、
いっぱいだった。
(さっきまでの優希と)
(今の優希)
同じ人なのに、全然違う。
眼鏡も、
髪も、
服も。
でも、一番ずるいのは。
(……私のため、なんだよね)
初めての食事だから。
失礼があったら嫌だから。
そんな理由で、わざわざ、
ここまで整えてきてくれた。
(そんなこと、されたら……)
胸の奥が、きゅっと締め付けられる。
(……感激、しないわけない)
お礼のつもりで、
誘った食事だったのに。
気づけば、私のほうが、
完全にやられていた。
(……なにこれ)
(もう、
私のほうがメロメロじゃない)
優希の横顔を、ちらっと盗み見る。
街灯に照らされて、
思った以上に、きれいで。
(……反則)
そう思いながら、
でも、手は離さなかった。
むしろ、自分から少しだけ、
力を込めていた。
——今日は、
まだ、終わらせたくなかった。
そんな気持ちが、自分でも驚くほど、
はっきり芽生えていた。
夜風が心地よかった。
「……このまま」
私は、思い切って言った。
「神宮外苑、少し歩きません?」
優希は、少し驚いたあと、頷いた。
並んで歩く道。
周りは、手を繋いだカップルばかり。
(……みんな、繋いでる)
私は、自分の手を見て、
それから、優希の手を見た。
少しだけ、ためらって。
でも。
(……いいよね)
そっと、指先を伸ばす。
優希の手に、触れる。
一瞬、ぴくっと動いたけど、
逃げなかった。
そのまま、ゆっくり握り返される。
(……あ)
胸の奥が、じんわり熱くなった。
夜の並木道。
静かな足音。
(……今日、誘ってよかった)
そう思いながら、私は、繋いだ手を、
少しだけ強く握った。
手を握られた、その瞬間から。
正直、
里桜はもう、まともじゃなかった。
(……なに、これ)
心臓が、どくん、どくん、
うるさいくらいに鳴っている。
ただ手を繋いでいるだけなのに、
指先から、
じわじわ熱が伝わってきて。
頬が、自分でも分かるくらい熱い。
(……顔、赤いよね)
(絶対)
歩いているはずなのに、
足元の感覚が、
少しふわふわしていた。
優希が、何か話していた。
仕事のことだったか、
この辺りの話だったか。
でも。
(……何言ってたっけ)
情けないけど、
ほとんど覚えていない。
それくらい、頭の中が、
いっぱいだった。
(さっきまでの優希と)
(今の優希)
同じ人なのに、全然違う。
眼鏡も、
髪も、
服も。
でも、一番ずるいのは。
(……私のため、なんだよね)
初めての食事だから。
失礼があったら嫌だから。
そんな理由で、わざわざ、
ここまで整えてきてくれた。
(そんなこと、されたら……)
胸の奥が、きゅっと締め付けられる。
(……感激、しないわけない)
お礼のつもりで、
誘った食事だったのに。
気づけば、私のほうが、
完全にやられていた。
(……なにこれ)
(もう、
私のほうがメロメロじゃない)
優希の横顔を、ちらっと盗み見る。
街灯に照らされて、
思った以上に、きれいで。
(……反則)
そう思いながら、
でも、手は離さなかった。
むしろ、自分から少しだけ、
力を込めていた。
——今日は、
まだ、終わらせたくなかった。
そんな気持ちが、自分でも驚くほど、
はっきり芽生えていた。