冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

二月十四日。バレンタインデー。

朝。早起きした私は、湊のためにチョコレートを作っていた。

不安を打ち消すように、一心不乱にガトーショコラを焼く。

甘さ控えめの、大人の味。

ラッピングをして、赤いリボンをかける。

今夜、湊に渡そう。そう思うと、少しだけ気持ちが明るくなった。



会社から帰宅すると、湊はまだ帰っていなかった。

私は、キッチンで夕食の準備をしながら待つ。

午後八時。玄関のドアが開く音がした。

「ただいま」

「おかえりなさい」

リビングに出ると、湊が立っていた。その手には、小さな箱が。

「これ」

湊が私に差し出す。

「え?」

「お前にプレゼントだ」
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