冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
二月十四日。バレンタインデー。
朝。早起きした私は、湊のためにチョコレートを作っていた。
不安を打ち消すように、一心不乱にガトーショコラを焼く。
甘さ控えめの、大人の味。
ラッピングをして、赤いリボンをかける。
今夜、湊に渡そう。そう思うと、少しだけ気持ちが明るくなった。
◇
会社から帰宅すると、湊はまだ帰っていなかった。
私は、キッチンで夕食の準備をしながら待つ。
午後八時。玄関のドアが開く音がした。
「ただいま」
「おかえりなさい」
リビングに出ると、湊が立っていた。その手には、小さな箱が。
「これ」
湊が私に差し出す。
「え?」
「お前にプレゼントだ」