冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
「私も……あなたを愛してます」
その言葉を口にした瞬間、湊の瞳が大きく揺れた。
「紗良……」
「私、ずっと湊のことが好きでした。契約という縛りなんて関係なく、ただ、あなたという人が大切なんです」
「……俺もだ、紗良。昔から、ずっとお前だけを。お前以外は欲しくなかった。お前を手に入れるためだけに、俺はここまで来たんだ」
湊が私を押し潰すような強さで抱きしめる。
窓の外ではオレンジ色の夕陽が沈み、二人の影が溶け合うように一つに重なっていた。
◇
「あの……湊」
それから少しして、私は遠慮がちに尋ねた。
「契約のことは、どうなるんですか?」
『契約を破棄してないのが証拠』
華恋さんの言葉が、頭をよぎる。
「……ずっと、言い出せなかったんだ」
湊が僅かに目を伏せ、デスクからあの契約書を取り出した。
「本当は、もっと早く破棄したかった。だが、俺が勝手に破棄したら『契約だから一緒にいたのに』って言って、お前が離れていくんじゃないかって」
湊が、私を真っ直ぐに見つめる。
「『半年経ったら解放される』……それがお前にとって、唯一の救いだったらどうしようと。お前の気持ちを確かめるのが、怖かったんだ」
その震える声に、心が激しく揺さぶられる。