冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
どれくらい時間が経ったのだろう。
気づけば、私は湊の腕の中で横たわっていた。
体は、心地よい疲労感に包まれている。
「大丈夫か?」
湊が、私の髪を撫でながら聞く。
「はい……幸せです」
私は、湊の胸に顔を埋めた。
「そうか、俺もだ」
湊が、私をぎゅっと抱きしめる。その温もりに、心が満たされていく。
「ねえ、湊」
「ん?」
「あの朝のこと、覚えてますか?」
「……ああ。名刺を渡して、お前が俺の腕から抜け出して、振り返りもせず逃げた朝だろう」
湊が苦笑し、腕の中の私をさらに強く抱きしめた。
「ごめんなさい……あの時は」
「謝らなくていい。お前は何も知らなかったんだから」
湊が、私の額にキスをする。
「だが、今は違う。俺という人間を知った上で、お前はここにいてくれる。それだけで、俺の十五年は報われたんだ」
湊の震える声が、愛おしくてたまらない。
「……ありがとう、紗良。俺と一緒にいてくれて。本当に……」
言葉はいらない。ただこの温もりが、すべてを語っている。