冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
広報部の先輩である本橋さんは、少し目を潤ませながら私の肩に手を置いた。
「良かったわね、高嶺さん。一人でずっと頑張ってたものね」
「本橋さん……ありがとうございます」
湊へ視線を向けると、彼は男性社員たちに囲まれ「社長、隅に置けませんね!」と冷やかされていた。
湊は困ったように眉を下げながらも、どこか誇らしげに、私を見つめ返している。
その瞳には、仕事中の彼からは想像もできないほど、深く甘い情愛が宿っていた。
……ようやく、堂々と湊の隣に立てるんだ。
胸の奥から込み上げる熱い塊を、私は何度も飲み込んだ。
もう、孤独だった没落令嬢でも、派遣社員の紗良でもない。
今日、私はこの場所で、彼の最愛のパートナーとして、新しい一歩を踏み出したのだと実感した。