冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

チャペルを出ると、外には柔らかな春の日差しが降り注いでいた。

傍らに植えられた早咲きの桜が、一足早く満開を迎えている。

風に舞う淡いピンクの花びらは、まるで私たちを祝福してくれているみたいだった。

「ようやく、ここまで来られた」

湊が、噛みしめるように呟いた。

「ええ、本当に……」

彼の腕に添えた手に、ぎゅっと力を込める。

通り抜けていく春風はどこまでも優しく、今日から始まる新しい人生を、清々しく洗い流してくれるようだった。



挙式を終えた私たちは、祝宴の席へと向かった。

その最中、湊がスピーチのために立ち上がると、それまで賑やかだった会場は、吸い込まれるような静寂に包まれた。

「本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます」

マイクを通した湊の声が、会場に響く。
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