冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

「無理はするな。必要なものは、全てこちらで揃える」

「ありがとう……ございます」

湊が私を抱き寄せる。強く。でも、優しく。

「紗良」

「はい」

「怖いか?」

「……少し」

「大丈夫だ」

湊の声が、耳元で響く。

「俺が、お前を守る。誰も、お前を傷つけさせない」

その声は、優しくて、強くて。

私は少しだけ――温かい何かが、胸に宿るのを感じた。



その夜。アパートに帰った私は、ベッドに倒れ込んだ。

あの人と……半年間の、契約結婚。

左手の薬指を見ると、まだ何もない。

明日、湊と指輪を選びに行く。

ぼーっと天井を眺めていると、スマホが鳴った。

湊からのメッセージだ。

【明日、11時に駅で。寒いから、温かくして来い】

短いメッセージ。だけど、最後の一文に心が温かくなる。

【わかりました。おやすみなさい】

返信すると、すぐに返事が来た。

【おやすみ、紗良】

名前を呼ばれた。文字だけなのに、胸がドキドキする。

私は、スマホを胸に抱きしめた。

これから、どうなるんだろう。

不安もある。だけど――ほんの少し、楽しみな気持ちもあった。
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