冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
湊が予約していたのは、高層ビルの最上階にあるレストランだった。
夜景の見える個室。テーブルには、キャンドルが灯されている。
「こんな素敵な場所……」
湊が、私の椅子を引いてくれる。
座ると、ウェイターがシャンパンを注いでくれた。
「乾杯しよう」
湊がグラスを持ち上げる。
「俺たちの、新しい始まりに」
グラスが、小さく音を立てて触れ合う。
シャンパンを一口飲むと、繊細な泡が舌の上で弾けた。
「美味しい……」
「気に入ったか?」
「はい」
窓の外には、東京の夜景が広がっている。
無数の光。まるで、宝石箱をひっくり返したような。
だけど、私の視線は自然と湊に戻ってしまう。
彼も、私を見つめている。
「ずっと想像していたんだ。お前の左手に指輪が輝く姿を」
湊の視線が、熱を帯びている。
「これから半年、お前は俺の妻だ。忘れるな」
その真剣な眼差しに、鼓動が速まる。
「そして、半年後も――」
湊の声が、一段と低くなる。
沈黙がテーブルを包みこみ、キャンドルの炎が僅かに揺れている。
「半年後も?」
私が尋ねると、湊は私の瞳を真っ直ぐ見つめた。