冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
「お前は、この指輪を外すことはないだろう」
「え? なぜですか?」
湊が、私の左手を掴んだ。指輪をはめた、その手を。
「俺が、離さないからだ」
その言葉に、息が止まりそうになる。
「お前の全てが欲しい。時間も、笑顔も、すべて俺だけに向けてほしい」
その声は、切実だった。
本当に私を愛していると、錯覚するような――。
って、ダメダメ。私たちは契約関係なんだから、ありえない。
そう、自分に言い聞かせる。
だけど、心臓は嘘をついてはくれない。
さっきからずっと、バクバクとうるさい。
料理が運ばれてくる。
美しい盛り付けに、繊細な味。
でも、私は料理の味をほとんど覚えていない。
覚えているのは、湊の視線がずっと私を見つめていたことだけ。
食事が終わり、デザートが運ばれてきた。
いちごのタルト。
「わあ、いちご……」
思わず笑顔になる。
「お前の好きなものだろう」
私は、驚いて湊を見た。
「どうして、私がいちごを好きだって……」