冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
「来週の土曜日、引っ越しだ。俺も手伝いに来る」
「いえ、そんな……お忙しいでしょうし」
「お前のことは、最優先だ」
その言葉に、ドキッとする。
「それに――」
湊の手が、私の頬に触れる。
「お前が俺のマンションに来る日を、待ちきれないんだ」
湊の眼差しが、熱を帯びて私を射抜く。
「湊……」
名前を呼ぶと、湊の表情が変わった。
「……今すぐ、お前を抱きしめたい」
低く、掠れた声。
「でも、我慢する。お前が望むまでは」
その言葉に、胸が苦しくなる。
どうして、こんなにも大切にしてくれるの。
契約なのに……ビジネスの関係のはずなのに。
「おやすみ、紗良」
湊が、私の額に軽くキスをした。熱い唇の感触。一瞬だけど、確かに触れた。
「お、おやすみなさい」
私は慌てて車を降りる。
アパートの入り口まで走り、振り返ると――湊が、車の中から私を見つめていた。
その瞳には、言葉にならない何かがあった。
私は手を振り、中に入った。