冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

広大なリビングには、全面ガラス張りの窓。その向こうには、東京の街が一望できる。

東京タワー、高層ビル群、遠くに見える山々。冬の青空の下に広がる、無数の屋根。

「すごい……」

思わず呟く。こんな景色、映画の中でしか見たことがない。

「こんな場所に、本当に住んでいいんですか?」

「お前は俺の妻だ。当然だろう」

湊が、当たり前のように言う。その横顔は、どこか誇らしげだった。

リビングは、白を基調とした洗練された空間。

大きなソファに、ガラスのテーブル。壁には、現代アートの絵画。すべてが、高級感に溢れている。

「ここが、お前の部屋だ」

湊が、廊下の奥を指さす。

案内された部屋は、広くて明るかった。

大きなベッドにクローゼット、デスク。窓からは、やはり東京の景色が見渡せる。

「……それから。寝室は、別々だ」

湊が告げた。

「お前が望まない限りは、俺は踏み込まない」

その言葉に、少しホッとする。だけど、同時に――胸の奥がちくりと疼き、少しだけ寂しい気もした。

どうして?

私たちは、契約で結婚したんだから。別々の部屋なのは、当然なのに。

今までだって「これはビジネスだ」と、何度も自分に言い聞かせてきたのに。

一人の夜が急に心細くなるなんて……。彼の体温を、知ってしまったからだろうか。
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