冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

二日後の、月曜日。私は、いつもより早く目が覚めた。

時計を見ると、午前五時半。外はまだ暗い。

この日は、MINATO Holdingsでの初出勤日。

心のどこかでは、緊張しているのだろう。さすがに、二度寝はできそうになかった。

私は起き上がり、クローゼットを開ける。

そこには、昨日湊が用意してくれた新品のスーツが。

紺色のジャケットに、白いブラウス。膝丈のスカート。

シンプルだけど、上質な生地。

着替え終えて鏡を見ると、そこには見慣れない自分がいた。

社会人らしい、きちんとした姿。

これから、私は会社員として働くんだ。

気合を入れてリビングへ向かうと、そこには意外な光景が広がっていた。

「おはよう、紗良」

「お、おはようございます」

すでにスーツ姿の湊がなんと、キッチンに立っていた。

「朝食、もうすぐできるからな」

「え? あの、私が作りますから……」

「いい。今日はお前の初出勤だし、俺が作りたい。座ってくれ」

湊が、お皿を二つ並べる。

私は促されるまま、食卓についた。

まさか、CEO自ら朝食を作ってくれるなんて。

なんだか、夢みたい。
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