冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

「お疲れ様! 仕事、大丈夫?」

「はい、ありがとうございます」

「わからないこととかあったら、いつでも聞いてね」

部署は違うけれど、中谷さんは気さくに話しかけてくれる。

本橋さんが耳打ちしてくる。

「中谷さん、うちの営業エースなのよ。でも、独身で……今、彼女募集中なんだって」

「へえ。そうなんですね」

意味深に笑う本橋さんに、私は苦笑いするしかなかった。



午後三時頃。私がデスクで資料をチェックしていると、内線電話が鳴った。

「高嶺さん、一階の受付に荷物が届いています」

「え? 荷物?」

思い当たらない。

受付に行くと、小さな保冷バッグが預けられていた。

「差出人は?」

「お名前は伺っておりませんが……」

不思議に思いながら、デスクに戻ってバッグを開ける。

「わあ、美味しそう」

中には、有名店のいちごのショートケーキが一つ。そして、名前のない小さなメモ。
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