冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

彼の瞳に、射抜かれたように体がすくんだ。

「……完璧だ」

息を呑むような表情。

湊が、私の周りをゆっくりと歩く。彼の目が、首筋から肩、背中へと移動していくのが分かる。

心臓が激しく高鳴る。湊の視線が、私の肌を撫でていくような感覚。

「もう、そんなに見ないでください……恥ずかしい」

顔から火が出そうだ。

「恥ずかしがる必要はない」

湊が私の肩に手を置く。そして――彼の熱い指先が、露わになった私の背中をそっとなぞった。

「……っ」

喉の奥がせり上がるような高揚感。

湊の指先の熱が、肌に染み込んでくるようで。背筋を、電流が走り抜けていく。

彼にこんなふうに触れられただけで、息が止まりそうになるなんて。

「紗良は美しい。自分でもわかっているだろう」

そう言いながら、湊は私を鏡の前へと導く。

鏡に映る二人。湊が後ろから私を見つめている。

「ほら、自分でもよく見てみろ」
< 64 / 149 >

この作品をシェア

pagetop