冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
鏡に映る自分を見て、私は驚いた。
普段の自分とは、まるで別人のように見える。
ネイビーのドレスは、私の肌を白く美しく見せ、シンプルなデザインが逆に存在感を際立たせている。
そして、背中。
首筋から肩、背中にかけてのラインがこんなにも美しく見えるなんて。
「お前のこの姿を、俺だけが知っている」
湊が私の耳元で囁く。低く、熱を帯びた声。
「それが、たまらなく嬉しい」
その言葉に、心臓が跳ね上がる。
湊の手が私の腰に回された。鏡の中で、私たちは抱き合っているように見える。
スタイリストの女性が、そっと視線を逸らしてくれた。
「これは、買わせてもらう」
湊が、躊躇なく言いきる。
「だが、パーティーでは他の男たちがお前を見る。想像するだけで、ものすごく嫌だ」
その声には、明らかな嫉妬が滲んでいた。
「ですが……」
「わかってる。お前を世界に見せたい気持ちと、誰にも見せたくない気持ちが同時にある」
湊が、私の耳元で囁く。
「矛盾してるな」
その声は、切なげだった。
「だが、これが俺の本音だ」
湊の腕に、少し力が込められる。
「せめて、今この瞬間だけは、紗良は俺だけの女だ」
その独占欲に満ちた言葉に、私は何も言えなかった。
ただ、鏡に映る湊の顔を見つめる。
真剣で、どこか切なげな表情。
この人は、本当に私のことを……?
「湊……」
小さく呟くと、湊の腕にさらに力が込められた。