隣にいる理由〜選ばれるはずのなかった私が、あなたの妻になるまで〜
私も出勤前のウオーキングしやすい楽な格好と仕事の時の制服姿だけで、きちんとした服装の姿を見たことないはずだ。もしこの先、デートをする機会があるならば、私も遼さんに釣り合うようなきちんとした服装をしなければ。
炊飯器のお米もたくさんある。明日の昼食のオムライスは、レンジで温めて食べてもらうようにするため、卵は半熟にせずしっかり火を通す。
事前に卵の上にビーフシチューをかけてラップをかけて、すぐに食べられるようにして冷蔵庫の中へしまうと、使用した調理器具を洗って片付けた。
夕食を済ませると、遼さんが私のためにコーヒーを淹れてくれる。
そのコーヒーを飲みながら、私は安田さんのことを相談した。
「実は、職場のインストラクターの男性から、いつも声を掛けられていて。自分が指導するから一緒にジムで身体を鍛えようと誘われたことから始まって、今日は食事に誘われて……。契約とはいえ、遼さんと恋人ってことになっているし、お断りするのにお名前を出させてもらってもいいですか?」
私の言葉に、遼さんは神妙な表情を浮かべている。
「そいつは薫がお付き合いしたい人、ではないの?」
「違います。安田さんには申し訳ないですけど、そういう対象に思えないんです……。私の思い上がりかもしれませんが、もし本当に、安田さんが私のことをそういう目で見ていたとしたら、申し訳なくて」
安田さんがほかの女性にも同じように声を掛けている姿を見たことがない。もしほかの女性と同じように、私にも社交辞令で声を掛けてくれていたのならここまで気にする必要はないけれど、そうではないだけに、ずっとモヤモヤしていた。
「そうか……。なら、俺が一度フィットネスに顔を出しておけば問題ないかな」
「顔を出す、とは……?」
もしかして、私の彼氏だと宣言するために来てくれる……?
「俺、フィットネスの方も会員になってるからな。ずっと忙しかったからなかなか行くようにならなくて、会費だけ無駄に払っている状態なんだけど。近いうちに時間を作って薫の職場に顔を出すようにするよ。そこで俺が薫に声を掛けて親しそうにしていたら、そいつもわかるだろう。何なら、俺から釘を刺しておいてもいいけど」
たしかに、遼さんと知り合うきっかけになったのは、大井さんからフィットネスの事務所に内線がかかってきたからだ。
自惚れだったら恥ずかしいけれど、もし私が考えていた通りに安田さんが私に気があるとしたら、変に期待させるわけにいかない。
遼さんの言葉に安堵した。
「すみませんが、よろしくお願いします」
炊飯器のお米もたくさんある。明日の昼食のオムライスは、レンジで温めて食べてもらうようにするため、卵は半熟にせずしっかり火を通す。
事前に卵の上にビーフシチューをかけてラップをかけて、すぐに食べられるようにして冷蔵庫の中へしまうと、使用した調理器具を洗って片付けた。
夕食を済ませると、遼さんが私のためにコーヒーを淹れてくれる。
そのコーヒーを飲みながら、私は安田さんのことを相談した。
「実は、職場のインストラクターの男性から、いつも声を掛けられていて。自分が指導するから一緒にジムで身体を鍛えようと誘われたことから始まって、今日は食事に誘われて……。契約とはいえ、遼さんと恋人ってことになっているし、お断りするのにお名前を出させてもらってもいいですか?」
私の言葉に、遼さんは神妙な表情を浮かべている。
「そいつは薫がお付き合いしたい人、ではないの?」
「違います。安田さんには申し訳ないですけど、そういう対象に思えないんです……。私の思い上がりかもしれませんが、もし本当に、安田さんが私のことをそういう目で見ていたとしたら、申し訳なくて」
安田さんがほかの女性にも同じように声を掛けている姿を見たことがない。もしほかの女性と同じように、私にも社交辞令で声を掛けてくれていたのならここまで気にする必要はないけれど、そうではないだけに、ずっとモヤモヤしていた。
「そうか……。なら、俺が一度フィットネスに顔を出しておけば問題ないかな」
「顔を出す、とは……?」
もしかして、私の彼氏だと宣言するために来てくれる……?
「俺、フィットネスの方も会員になってるからな。ずっと忙しかったからなかなか行くようにならなくて、会費だけ無駄に払っている状態なんだけど。近いうちに時間を作って薫の職場に顔を出すようにするよ。そこで俺が薫に声を掛けて親しそうにしていたら、そいつもわかるだろう。何なら、俺から釘を刺しておいてもいいけど」
たしかに、遼さんと知り合うきっかけになったのは、大井さんからフィットネスの事務所に内線がかかってきたからだ。
自惚れだったら恥ずかしいけれど、もし私が考えていた通りに安田さんが私に気があるとしたら、変に期待させるわけにいかない。
遼さんの言葉に安堵した。
「すみませんが、よろしくお願いします」